高松地方裁判所 昭和59年(行ウ)7号 判決
香川県綾歌郡飯山町東坂元七八九番地一一
原告
片山勝博
香川県坂出市駒止町二丁目二番一〇号
被告
坂出税務署長
幸田久
右指定代理人
西口元
同
伊藤二郎
同
西谷正
同
濱口静治
主文
原告の請求を棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。
事実
第一当事者の求めた裁判
一 請求の趣旨
1 被告が原告に対し昭和五八年七月一一日付けでした昭和五五年分ないし昭和五七年分の各所得税の更正(ただし、いづれも昭和五八年一二月五日付けの異議決定により減額された後のもの)をいずれも取消す。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
二 請求の趣旨に対する答弁
主文同旨
第二当事者の主張
一 請求原因
1 (本件各更正の経緯等)
原告は、前記肩書地において土石等の自動車運送を業とする者であるが、昭和五五年分ないし昭和五七年分(以下「本件係争各年分」という。)の所得税につき、別表1の番号1ないし3の欄に記載のとおり各確定申告をしたところ、被告は原告に対し、昭和五八年七月七日付けで昭和五五年分以後の所得税の青色申告承認取消取消処分を行うとともに、昭和五八年七月一一日付けで、原告の本件係争各年分の所得金額及び所得税額を別表1の番号5及び6の欄に記載のとおりとする旨の各更正及び同表の番号7の欄に記載の各過少申告加算税の賦課決定を行つた。
そこで、原告は、右の各更正過少申告加算税賦課決定を不服として、同年九月一〇日、異議申立てをしたところ、被告は、同年一二月五日付けで、本件係争各年分の所得金額及び所得税額を別表1の番号12及び13の欄に記載のとおり減額するとともに、各過少申告加算税賦課決定をいずれも取り消す旨の決定をした。
原告は、更に昭和五九年一月四日国税不服審判所長に審査請求をしたが、同所長は、同年六月一九日付けでこれを棄却し、同年七月一一日原告にその旨通知した。
2 (本件各更正の違法性)
しかしながら、本件各更正(ただし、いずれも異議決定により一部取り消された後のもの。以下同じ)は、原告の所得を過大に認定したものであるから違法である。
よつて、原告は本件各更正の取り消しを求める。
二 請求原因に対する認否
1 請求原因1の事実を認める。
2 同2の主張は争う。
三 被告の主張
1 原告は、本件係争各年分の収支を明らかにするに足りる帳簿書類を備え付けておらず、被告の所部係官の行う税務調査に協力的でなかつた。それらにより、被告は、原告の所得の実額の把握が著しく困難であつた。
2 そこで、被告は、まず原告の取引先に対する反面調査により原告の収入金額を実額で把握し、次に同業者の平均一般経費率を右収入金額に乗じて一般経費を算出し、この推計による一般経費を実額で把握し得た特別経費とを収入金額から控除して、原告の所得を推計することとした。
(一) 収入金額
原告の本件係争各年分の収入金額は、別表2の該当欄に記載のとおりである。
右収入は、いずれも有限会社坂出陸運(以下「坂出陸運」という。)からのものである。
(二) 一般経費
原告の本件係争各年分の一般経費の額は別表2の該当欄に記載のとおりであり、これは、右(一)の収入金額に同業者の平均一般経費率(別表3の平均値欄に記載のとおり)を乗じて算出した。
右推計方法は比率法と称されるもので、合理的な推計方法として広く用いられているものであるが、被告が右の同業者の平均一般経費率を算定した経過及びその合理性は、次に述べるとおりである。
(1) 被告は、原告の住所地を管轄する坂出税務署並びに隣接する高松及び丸亀各税務署の管内で原告と同種の事業を営む個人のうち、別紙の一の一ないし七に掲げる基準に該当する者を抽出したところ、合計七名の該当者の本件係争各年分の所得税青色申告決算書(以下、単に「青色決算書」という。)を収集することができたので、これに基づき、別表3に記載のとおり、右各同業者の一般経費率(一般経費率の額を当該年の収入金額で除したもの)を算出した上、その平均値を算出し、これをもつて前記「同業者の平均一般経費率」とした。
(2) 右同業者の抽出基準(別紙一の一ないし七)は、原告の同業者の中でも業態、事業規模等において、類似性の高い者を抽出するための基準であり、合理性を有する。
(3) 右各同業者は、右の抽出基準に基づき、機械的かつ悉皆的に抽出されたものであり、その抽出過程には恣意性が全くない。
(4) 本件の場合、同業者として抽出されたのは七名であるが、その同業者は業態、事業規模等の点において原告との類似性が高い者ばかりであるから、その程度の同業者数でも合理性は十分ある。
(5) 右各同業者の一般経費率を見ると、同業者により差異があるが、これは通常存在する程度の差異にとどまる。
(6) なお、右一般経費率の算出にあたつては、ダンプ式貨物自動車の減価償却費は、特別経費に該当するものとして、これを右算出の基礎となる一般経費の中には含めていないが、その理由は次のとおりである。
すなわち、右自動車は高額であり、かつ、法定耐用年数が四年と短いため、その各年分の減価償却費については同業者により大きな差異を生じることになるところ、このように大きなう差異のある減価償却費を一般経費に含めると、右自動車の保有状態により一般経費率の開差が大きくなり、不合理を生ずるからである。
(三) 特別経費
原告の本件係争各年分の特別経費の額は、別表2の該当欄に記載のとおりであり、これは、原告が本件係争年各年にその事業の用に供していたダンプ式大型貨物自動車の減価償却費の額である。
(四) 所得金額
原告本件係争各年分の所得金額は、右(一)の収入金額から右(二)の一般経費及び右(三)の特別経費を控除した残額(具体的には、別表2の該当欄に記載のとおり)となる。
3 以上によれば、本件各更正における所得金額は、いずれも右の各所得金額の範囲内であるから、本件各更正には原告の主張するように所得を過大に認定した違法な存しない。
なお、たとえ原告の反論するように原告が昭和五七年に別紙二の八の代行運転費三八万三〇〇〇円を支出したことがあり、これを同年分の特別経費に含めるのが相当としても、同年分の所得金額は、計算上二六二万八二九八円になり、同年分の更正における所得金額の範囲内であるから、右更正が適法であることに変わりはない。
四 被告の主張に対する原告の認否及び反論
1 (否認)
(一) 被告の主張1の事実のうち、原告が収支を明らかにする帳簿書類を備え付けてなく、税務調査に協力的でなかつたことを認める。
(二) 被告の主張2について
(1) その(一)の事実のうち、原告の昭和五七年分の収入金額が別表2の該当欄に記載のとおりであること及び右収入が坂出陸運からのものであることを認めるが、その余を否認する。
(2) その(二)の事実は不知。
(3) その(三)の事実を認める。
(4) その(四)は争う。
(三) 被告の主張3を争う。
2 (反論)
原告の昭和五七年分の必要経費の実額は、別紙二の一ないし一八記載の各金員を合計した金六七二万四〇九六円であつた。したがつて、原告の同年分の所得金額は、収入金額八二七万五六二五円から必要経費六七二万四〇九六円を控除した残額の一五五万一五二九円である。
五 原告の反論に対する被告の答弁
1(一) 別紙二の一のうち金五万二六〇〇円(内訳5の奥田自動車整備工場こと奥田康則関係の一部)は、原告の妻が使用している軽自動車の修理費等として支出されたものであるから、原告の事業に係る必要経費にはならない。
(二) 同二の金三万九二〇〇円については、西村木材株式会社が発行した同額の領収証が存在するが、これは洗面化粧台等の購入代金(家事関連費)についてのものであり、右金員は修理道具購入費として支出されたものでない。
(三) 同三の金一二万六〇〇〇円については、松本堯富が発行した同額の領収証が存在するが、これは同人が原告の依頼により発行したものにすぎず、そもそも支出の事実がないものである。
(四) 同七のうち金三一万三三五〇円(内訳2の有限会社みどり関係の全部)についても、同社発行の領収証が存在するものの、これは同社社長の南条和男が原告の依頼により法人の帳簿に基づかずに発行したものであつて、その支出の事実はない。
(五) 同一二及び一三の合計金一万九一〇〇円は、原告の妻が使用している軽自動車に関する費用 であるから、原告の事業に係る必要経費にはならない。
(六) 同一四ないし一八の合計金九三万五〇〇〇円については、領収証もなければ記帳もないのであるから、その支出につき信ぴよう性がなく、これを所得金額算定の資料とすることは到底できない。
(七) なお、同八の代行運転費金三八万三〇〇〇円は認めない。原告の事業は代行運転手を必要とする状況にはなかつた。
2 したがつて、原告の昭和五七年分の所得金額を実額で計算するにあたつては、少なくとも右1の(一)ないし(七)記載の合計金一八六万八二五〇円(予備的に、(一)ないし(六)記載の合計金一四八万五二五〇円)を必要経費から除外すべきであり、これを前提として右実額計算を行うと、原告の同年分の所得金額は、金三四一万九七七九円(予備的に金三〇三万六七七九円)になるところ、同年分に係る更正における所得金額は、右ぎ金額の範囲内であるから、右更正は適法である。
第三証拠
本件記録中の書証目録及び証人等目録記載のとおりである。
理由
一 請求原因1(本件各更正の経緯等)の事実は、当事者間に争いがない。
二 そこで、本件更正の適否について判断する。
1 推計の必要性について
原告が本件係争各年分の収支を明らかにする帳簿書類を備え付けておらず、被告の所部係官の行う調査に協力的でなかつたことは、当事者間に争いがなく、右事実によれば、被告において、原告の所得の実額を把握することが著しく困難であつたことを優に推認すことができる。
以上の事実によると、原告の本件係争各年分の所得税につき、推計課税の必要性を公認することができる。
2 推計による所得金額の算定の当否について
(一) 収入金額
原告の昭和五七年分の収入金額が、別表2の当該欄に記載のとおりであることは、当事者間に争いがなく、成立に争いのない乙第五号証の一、二によると、原告の昭和五五年分及び昭和五六年分の収入金額は、それぞれ別表2の該当欄に記載のとおりであることを認めることができる。
(二) 一般経費(必要経費その一)
一定の事業を営む者の一般経費を実額によつて把握することができない場合、同業者の平均一般経費率を収入金額に乗じて一般経費を推計することは、特段の事情のない限り合理性があるというべきである。
そこで、本件についてこれをみるに、証人能祖清の証言と弁論の全趣旨とにより原本の存在及びその成立が認められる乙第七号証、右証言と弁論の全趣旨とにより真正に成立したものと認められる乙第八証の一、同号証の二ないし五の各一ないし三、弁論の全趣旨により真正に成立したものと認められている乙第九号証の一、同号証の二及び三の各一ないし三、乙第一〇号証の一、同号証の二の一ないし三、乙第一一号証、証人能祖清の証言並びに弁論の全趣旨を総合すると、次の事実が認められる。
(1) 被告は、原告の本件係争各年分の収入金額から控除すべき必要経費につき、これを一般経費と特別経費に分けた上、一般経費については、同業者の平均一般経費率を収入金額に乗ずる方法まで算出することとし、まず、原告の住所地を管轄する坂出税務署並びに隣接する高松及び丸亀各税務署の管内で原告と同種の事業を営む個人のうち、別紙一の一ないし七の基準に該当する者と機械的かつ悉皆的に抽出して、該当社七名の本件係争各年分の青色決算書を収集し、次いで、これに基づき、右各同業者の各年分の一般経費の額を当該年分の収入金額で除して一般経費率を算出したところ、その結果は、別表3の各一般経費率欄(同業者AないしGの部分)の記載のとおりであつた。これらの同業者(本件係争各年分の)一般経費率の平均値を求めると、別表3の平均値欄の記載のとおりとなる(ただし、小数点第三位で四捨五入)。
(2) もつとも、被告は、右青色決算書中の一部を修正(その明細は、別紙三記載のとおり)したほか、同決算書中に(必要)経費として揚げられた金具のうち、利子割引料、給料賃金、地代家賃、外注工事及びダンプ式貨物自動車の減価償却費は特別経費として扱い、右の一般経費には含めないこととして一般経費率の算出を行つた。なお、被告がダンプ式貨物自動車の減価償却費を一般経費に含めなかつたのは、被告の主張2(二)(2)のとおりの理由によるものであつた。
以上認定の事実により、被告の右推計の合理性を検討すると、被告が本訴において主張する同業者の平均一般経費率算出の対象となつた同業者は、原告の住所地及び隣接地を管轄する税務署管内の者のであることが明らかであり、別紙一の抽出基準は十分合理性があり、その抽出作業は、右の基準により機械的かつ悉皆的になされており、抽出数も同業者の個別性を平均化するに足るものであり、その数値は青色決算書を基に計算して得られたものであるから、このような同業者の平均一般経費率は、正確性およで一応の普遍性があるものということができる。したがつて、右同業者の平均一般経費率は正確性及び一応の普遍性があるものということができる。したがつて、右同業者の平均一般経費率を原告の収入金額に乗じてその収入を得るのに必要な一般経費を推計することは合理的というべきである。
そこで、右同業者の本件係争各年分一般経費率の平均値をそれぞれ別表2の収入金額欄記載の金額に乗じて原告の本件係争各年分の一般経費の額を算出すると、同表の一般経費欄に記載のとおりの金額となる(ただし、円未満切上げ。)
(三) 特別経費(必要経費その二)
(1) 原告が本件係争の各年に事業の用に供していたダンプ式大型貨物自動車の減価償却費の額が、別表2の特別経費欄に記載のとおりであることは、当事者間に争いがない。
(2) 成立に争いのない甲第八号証の一ないし一二によると、原告は、昭和五七年中にその事業に関し代行運転手として丸山孝志を雇用し、同人に対しその代行運転費として合計金三八万三〇〇〇円を支払つたことが認められ、右認定を左右するに足りる証拠はない。この代行運転費は、その性質上、特別経費として計上すべきものと解するのが相当である。
(四) ここで、原告の反論について判断を加える。
原告は、その昭和五七年分の必要経費の実額が別紙二の一ないし一八記載の各金員を合計した金六七二万四一九六円であつたと主張し、そのうち、別紙二の一ないし七の各経費支出の証拠として原告が提出した甲号各証(領収証)の成立に争いがないが、そのすべてを必要経費の領収書としてたやすく採用し難い。のみならず、本件を通じ、原告の昭和五七年分の必要経費の全額を認めさせるに足る証拠はないから、原告の右反論は、結局、被告による昭和五七年分の一般経費の一括推計を妨げる理由とはならない。
したがつて、原告の反論は失当であるといわざるをえない。
(五) 所得金額
右(一)認定の収入金額から、右(二)認定の一般経費及び右(三)認定の特別経費を控除して、原告を本件係争各年分の所得金額を算出すると、昭和五五年分及び昭和五六年分については別表2の該当欄に記載のとおりの金額に、昭和五七年分については同表の該当欄記載の金額から前記(三)(2)の代行運転費三八万三〇〇〇円を控除した二六二万八二九八円になることは、計算上明らかである。
3 そうすると、本件各更正で認定した所得金額は、いずれも右の各所得金額の範囲内であるから、本件各更正に原告主張の違法は存しない。
三 よつて、原告の本訴請求は理由がないからこれを棄却し、訴訟費用の負担につき行訴法七条、民訴法八九条を適用して、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 渡邊貢 裁判官 角隆博 裁判官 小田幸生)
別表1
〈省略〉
別表2
原告の事業所得金額
〈省略〉
別表3
同業者の一般経費率表
〈省略〉
別紙一
同業者の抽出基準
一 積載量が一一トン程度のダンプ式貨物自動車一台により、土石等の自動車運送業を営む個人事業者であるもの
二 青色申告者であるもの
三 昭和五五年から昭和五七年までの三年間継続して事業を行つているもの
四 収入金額が三年間を通じ、昭和五五年分については金四六二万九六二五円以上金一三八八万八八七五円以下、昭和五六年分については金四三四万五三二五円以上金一三〇三万五九七五円以下、昭和五七年分については金四一三万七八一二円以上金一二四一万三四三七円以下の範囲内にあるもの(なお、右の範囲は、別表2の収入金額欄に記載された各金額の五〇パーセント以上一五〇パーセント以下の範囲に対応するものである。)
五 他の事業を兼業していないもの
六 特定の事業者に専属して、その収入の大部分を得ているもの
七 更正処分等に対する異議申立て、審査請求又は訴訟が審理継続中でないもの
別紙二
原告の昭和五七年分の必要経費
一 自動車の燃料費、パンク修理費、タイヤ購入費、自動車修理費及び部品費等で領収証の存在するもの…合計金三四五万二五二一円
(内訳)
1 株式会社新天満屋石油関係 金四九万一四〇〇円
2 日本オイル興業株式会社ないし日本オイル商事株式会社関係 金一一〇万九一〇〇円
3 番ノ州タイヤサービスこと塩崎常巳関係 金三一万八九〇〇円
4 市川自動車こと市川勝関係 金三九万〇三〇〇円
5 奥田自動車整備工場こと奥田康則関係 金二六万〇六〇〇円
6 香川日野自動車関係株式会社 金四万五八七〇円
7 有限会社長尾電気関係 金五万三二〇〇円
8 永大タイヤ商会こと松上義明関係 金五三〇〇円
9 四国機器株式会社関係 金三万五〇〇〇円
10 松本自動車整備工場こと松本浩和関係 金二万九九九〇円
11 西谷建具店関係 金二万円
12 菅知差嘉(同業者)関係 金二二万円
13 坂出陸運関係 金四七万二八六一円
二 修理道具購入費…金三万九二〇〇円(支払先は、西村木材株式会社)
三 物損事故による支払費…金一二万六〇〇〇円(支払先は、松本堯富)
四 坂出民主商工会の会費…金二万六五〇〇円
五 通信費…金四万三五五〇円(支払先は、日本電信電話公社)
六 自動車任意保険料…金九万〇三〇〇円(支払先は、共益火災会場保険相互会社)
七 接待交際費…合計金六八万八二五〇円
(内訳)
1 お茶漬の店あけみ関係 金三七万四九〇〇円
2 有限会社みどり関係 金三一万三三五〇円
八 代行運転費…金三八万三〇〇〇円(支払先は、丸山孝志)
九 大型車の自動車税…金四万六〇〇〇円
一〇 大型車の自賠責保険料…金六万七六〇〇円
一一 大型車の減価償却費…金八〇万七〇七五円
一二 軽自動車の自動車税…金六五〇〇円
一三 軽自動車の自賠責保険料…金一万二六〇〇円
一四 自動車の燃料費で領収証のないもの…金二七万八〇〇〇円
一五 自動車の修理費等で領収証のないもの…金二一万七〇〇〇円
一六 雑費(冠婚葬祭等で、領収証なし)…金二四万円
一七 消耗品費(作業服、作業手袋、くつ等の費用で、領収証はなし)…金一五万円
一八 雑損費(小事故を起こして支払つたもので、領収証はなし)…金五万円
(以上合計金六七二円四〇九六円)
別紙三
修正明細
1 同業者Cの昭和五五年分について
青色決算書(乙第八号証の四の一)の第一丁表の経費欄中減価償却費〈18〉八六万二一三七円は、第二丁表の減価償却費の計算によれば、乗用車とダンプとの減価償却費を合計しているので、乗用車分を一般経費とし、ダンプ分を特別経費として計算した。
2 同業者Cの昭和五六年分について
減価償却費につき、右と同様の修正を行つた。
3 同業者Eの昭和五五年分について
減価償却費につき、前同様の修正を行つた。
なお、青色決算書(乙第九号証の二の一)第一丁表では、一八七万一九二五円となつているが、第二丁表の減価償却費の計算から明らかなとおり一八一万七九二五円が正しいのでこの金額で計算した。
4 同業者Eの昭和五六年度分について
減価償却費につき、前同様の修正を行つた。
ただし、青色決算書(乙第九号証の二の二)第二丁表の減価償却の計算につき、ダンプは、その耐用年数が四年であるから、それに合わせて金額を修正し、乗用車は、五六年中の減価償却期間が一二月であるのに、前年と同じく一一月としているから、右の誤りを修正して計算した。
5 同業者Eの昭和五七年分について
減価償却費につき、前同様の修正を行つた。
ただし、青色決算書(乙第九号証の二の三)第二丁表の減価償却費の計算において、トラツク(ダンプ)の耐用年数は四年であるから、それに合わせて金額を修正した計算した。